結婚式でどんなネクタイを結べば良いのか分からない。
結婚式での服装のルールを教えてほしい。
そのような悩みと不安を抱えた人が多くいる。
「ネクタイを結ぶな」とは乱暴なタイトルである。
なにを馬鹿げたことを言うのか、と言わずに聞いてほしい。
さて、あなたのもとに一通の招待状が届く。
「わたしたちは結婚式を挙げ、新しい第一歩を踏み出すことに・・・
ご多忙中 誠に恐縮ではございますが、是非ご出席いただきたく・・・」
心優しいあなたはきっと幸せな気分になる。
そして同時に考える。
(どんな格好で出席したら良いだろうか)
このとき、自己流で決断を下してはいけない。
それから紳士服店や百貨店でだれかれ構わずアドバイスを求めるのも注意が必要だ。それらの店で働く人の多くは派遣社員であったり、アルバイトであるからだ。彼らの服飾知識は率直に言って偏っている。自社製品の知識習得で一杯いっぱいなのだ。
さて、それではどうしよう。
そう思ってあなたはインターネットに頼ったわけである。
そしてこのブログに行きついた。
ブログ記事を読み終わった時、あなたは少なからず有益な情報を得て満足しておられるだろう。
結論から言えば、「結婚式では蝶ネクタイを結べ」。
まず、結婚式に出席するにあたって銘記しておきたい点がある。
それは日本の結婚式は「なんでもあり」だという事だ。
多くの人が一つのイベントとして認識しているため、宗教も慣習もごちゃまぜなのだ。
なにも正解がない。あるいは、すべてが間違っている。
一方で日本人はルールにうるさい。規則と基準を遵守することが道徳を意味するからだ。
というよりも、他者と異なることを極端に恐れる集団と言えるかもしれない。
「なんでもあり」にもかかわらず、「規則遵守」という相反する状況が生まれる最たる例が結婚式である。
日本は仏教国と言われるが、神社にも行くし、キリスト教の教会にも行く。
いわば無宗教で多宗教なのだ。それに加えて、日本の伝統文化と西洋文化の和洋折衷も見られる。これは服装の世界にも顕著だ。
さらに事態を難しくしているのは日本の慣習を西洋スタイルの服装にも取り入れていることだ。結婚式に黒のネクタイは良くない、と言いつつタキシードを着たがる。彼らは理不尽にも黒は縁起が悪いと言う。これは陰陽五行説に由来する色彩関係に基づいている。
青(東)、赤(南)、黄(中)、白(西)、黒(北)があり、それぞれを心象の五情に当てはめると青=怒、赤=喜、黄=思憂、白=悲、黒=恐である。
ゆえに黒は悪い。
では、花嫁の白はどうなのだ? というツッコミはなしだ。
多くの日本人は物事の理由を知ることを重要視しない。あるがままを受け入れる。それは悟りの境地か、はたまた諦めか。
周りの人に合わせるのが正解。雰囲気を察知して空気を読む。
結婚するお二人が聡明であらせられれば、招待状に人を戸惑わせることのないドレスコードを記載してくださるのだが、普通は「なんでもあり」の「規則遵守」だ。それでは困るのだが、言っても仕方ない。
前置きが長くなったが、結婚式で蝶ネクタイを結ぶのが良い理由を挙げていこう。ここでいう「結婚式」とは「挙式」「披露宴」「二次会」すべてを含めていただいて構わない。とはいえ、ある方は挙式と披露宴、二次会でネクタイを変えたいと思うかもしれない。それもいいだろう。
さて、蝶ネクタイを結ぶべき理由の一つは、ご結婚されるお二方を祝福していることが周囲の目にも明らかだからである。
多くの人にとって蝶ネクタイは特別な場での、あるいは格式ある場でのネクタイという認識である。それは間違いではないのだが蝶ネクタイの魅力はその程度のものではない。それはまた別の話である。いずれにせよ、人々の蝶ネクタイに対するイメージを利用するのは得策と言える。結婚式は特別な場であり、格式ある場であるから蝶ネクタイはふさわしく映る。
蝶ネクタイと聞いて思い浮かべるイメージの一つにタキシード姿があるだろう。アカデミー賞のレッドカーペットを想像する方もおられるだろう。それゆえに、蝶ネクタイを結んでいると、周囲の人の脳裏にタキシードがもたらすフォーマルな品格を想起させるのだ。
蝶ネクタイであれば色が黒でも文句は言わせない。
ブラックタイはフォーマルだからだ。
これも結婚式で蝶ネクタイを結ぶべき理由の一つだ。
フォーマルな結婚式で結ぶべきはフォーマルなネクタイである。
結び下げの黒いネクタイに文句を言ってくる御仁は存在するだろう。そんな勘違い爺さんは無視したいが、そうもいかない。人の服装に文句を垂れる前に、その合皮のダサい靴をどうにかしてくれと言いたくなる。
失礼。
年配者には敬意を払おう。
というわけで、お祝いの場である結婚式・披露宴では蝶ネクタイを結ぶ。
これで間違いない。黒でも大丈夫。
ついでに言うと、タキシードにはブラックタイが必須であるが、ブラックタイにタキシードは必須でない。これはつまり、黒い蝶ネクタイをタキシード以外の服装で結んでもなんら問題がないということだ。このあたりを勘違いなさって説明しているサイトや雑誌が目に付く。
あなたが新郎自身であろうと、新郎新婦の友人であれ、親族であれ、同僚であれ、結婚式では蝶ネクタイを結ぶ。簡単な話である。この記事ではゲストとして出席される人を想定しているが、新郎自身が蝶ネクタイを結んでいれば華やかで楽しく幸福な雰囲気となり大変よろしいではないか。
では、結婚式ではどんな種類の蝶ネクタイを結ぶのが良いのか。
「なんでもあり」である。
これも蝶ネクタイが優れている理由だ。
はっきり言ってどんな蝶ネクタイでも問題ない。
色、素材、柄、形、どんなものでも構わない。
さすがにドクロマークなどは論外だが。
蝶ネクタイには大きく分けて2種類ある。
カジュアルな蝶ネクタイと、フォーマルな蝶ネクタイである。
格式高いホテルでの豪華な結婚式でなければ、カジュアルでもフォーマルでもどちらでも良いと思う。
ただし、カジュアルな蝶ネクタイを結ぶなら服装を全体的にドレスダウンすること。
フォーマルな蝶ネクタイを結ぶ場合はフォーマルに。
カジュアルなのかフォーマルなのかは主に色と素材で決まる。
単色のシルバーやパステル系はフォーマルと言えるだろう。必ずしもそうは言えないのだが論議を進めるためにフォーマルに分類する。素材がシルクのサテン地であれば やはりフォーマルである。
対して、カジュアルな蝶ネクタイは色の制約がなく柄物が多い。素材はシルクもあるが、コットン、リネン、ウール、ニットなど様々だ。
実は蝶ネクタイには形状の種類がいくつか存在するのだが、詳しくは別の記事で話すつもりである。ネクタイの形状も気にせずに選んで構わない。
あえて言えばバタフライと呼ばれる形が最もフォーマルであるが、他の形状がフォーマルでないという意味ではないので気にしなくて良い。
その蝶ネクタイがあなたに似合うかどうかが気になる方は、ポインテッドとかダイヤモンドなどと呼ばれる蝶ネクタイをお勧めする。
正直、バタフライは日本人には似合わないと思っている。
バタフライを結んで様になる日本人の条件は、高身長、細面、肩があること、胸囲があること。
逆に背が低く、丸顔、なで肩、頼りない胸元の日本人がバタフライを結んでいる姿は最高に格好悪い。お笑い芸人に見える。
「なんでもあり」と言っておきながら難癖をつけて申し訳ない。
出典:ruffledblog.com
さて、「蝶ネクタイを結ぶためのシャツはありますか?」という質問もよく寄せられる。どうやら、ウィングカラーのシャツでなければならない、と思い込んでおられる人がいるらしい。確かに蝶ネクタイが一般的であった19世紀後半から20世紀初頭まではウィングカラーのシャツが普及していた。それゆえに、ウィングカラーのシャツはフォーマル性が高く、蝶ネクタイとの相性も良い。とはいえ、ウィングカラーと蝶ネクタイの組み合わせはフォーマル性が強すぎるきらいがある。
ついでに言えば、ウィングカラーはアメリカ的でもある。タキシードを着るときにアメリカ人はウィングカラーにブラックタイを結ぶのが好きだ。タキシードもショールカラーのものを好む傾向がある。一方、英国紳士はタキシードとワイドスプレッドのシャツを纏う。ジェームズ・ボンドはウィングカラーのシャツを着ない。
つまり、「蝶ネクタイを結ぶためのシャツ」というものはない。
お好きなシャツに蝶ネクタイを結べば良いのだから気が楽であろう。
どうぞ蝶ネクタイを結んで結婚式を存分に楽しんでいただきたい。
あなたが結婚式で結ぶべきなのは蝶ネクタイ。好きに選んでいただいて構わない。
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