出典:atkinsonsties.com
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「Atkinsons」は、日本では「アトキンソン」として認知されています。最後の"s”は発音しません。でも正式には「アトキンソンズ」です。
「Church's」と同じく、日本独自の現象です。この記事では「アトキンソンズ」の表記を使用します。
1820年、リチャード・アトキンソン氏(1857年にダブリン市長として当選)がアイルランドの首都ダブリンで創業しました。
アトキンソンズの歴史は、アトキンソン氏が自ら経営するブティックのために伝統的なアイリッシュポプリンを職人に織らせたことに始まります。
当時、アイルランドにはシルク織物の職人が多く住んでいました。
その歴史をさかのぼると、1685年のナントの勅令によって、フランスのシルクの街であるリヨンとツールから逃れたユグノー教徒(フランスプロテスタント)の職人たちが英国やアイルランドに移り住んだという背景があります。
アトキンソン氏がユグノーに織らせたアイリッシュ・ポプリンは高い評判を呼び、ダブリン市のユグノーシルク貿易は19世紀に再興し、街は再び活気づきました。
アトキンソン氏の経営するダブリン市カレッジ・グリーンのブティックも繁盛して、やがて社交界にも広く知られるようになります。
その後、彼のブティック自体が王室の婦人たちの社交の場として使われるようになりました。
1837年には、ヴィクトリア女王よりロイヤルワラント(国王より授与される認定書)を授けられ、ヴィクトリア女王は生涯を通してアトキンソンズのアイリッシュポプリンを愛用したといわれています。
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ヴィクトリア女王のロイヤルワラント
さらに、アトキンソンズは19世紀の終わりまでに、イタリー国王、ベルギー女王、ギリシャ女王、オランダ女王、そしてポルトガル女王からそれぞれロイヤルワラントを授与されました。
こうして、アトキンソンズはヨーロッパ諸王国御用達ブランドへ成長しました。
アトキンソンズのポプリンは各国の王室にも納めていたことから現在でも"ロイヤル・アイリッシュポプリン”の名で親しまれています。
王室御用達ブランドというのはやっぱりブランドパワーがあります。
ちなみにポプリンとは、平織で、横糸は経糸と同番手もしくは多少太い番手の糸を使い、縦方向に畝のある薄手の織物のことです。
ポプリンの語源は、【papalino(イタリア語で〈教皇の〉】で、この織物が1791年までローマ教皇の所領であったアヴィニヨン(フランス南東部の都市)で作られたことに由来しています。ローマ法王がアヴィニヨンに住んでいた時の教会の制服に使われていました。
歴史を通じて、王室や教会とのつながりが垣間見えるアトキンソンズは、由緒正しきネクタイを生産できる正当な理由をもっているのです。
出典:british-made.jp
さて、1800年代前半のネクタイは蝶ネクタイが主流で、現在のフォアインハンド(結び下げタイ)が登場するのは1860年代以降です。
アトキンソンズは1900年代初頭にロイヤル・アイリッシュポプリンでフォアインハンドタイの生産を始め、英国をはじめとした各国の紳士たちに愛用されるようになりました。
アトキンソンズのロイヤル・アイリッシュポプリンの特徴は、先染めシルクを経糸に、先染めメリノウール(ウーステッド=梳毛)を緯糸に使用していることです。
緯糸にウールを使うことで弾力性が高まり、復元力が増します。簡単に言うとシワになりくいのです。
シルクの表面は贅沢さを漂わせ、ウールはシワを防ぐ弾力性を含んでおり、ネクタイの素材として最適なものともいえます。
そんなロイヤル・アイリッシュポプリンで作られたアトキンソンズのネクタイは、ノットが緩みにくく、シワにもなりにくいという特徴があります。
出典:british-made.jp
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ネクタイメーカーであり、同時に歴史ある織物工場でもあるという両面性を持ち合わせているのもアトキンソンズの強みです。
それだけに徹底した品質管理もでき、自社内で全てハンドライティングによるデザインを起こすことが可能です。
アトキンソンズは、現在でもファミリー経営の会社なので、品質は堅持されています。アイリッシュポプリンの他にも、ピュアシルク、ピュアウールも豊富に取り扱っています。
熟練した職人の優れた技術によって一本一本ハンドメイドで作られるアトキンソンズのネクタイは、世界各国の有名ブティックで常に最高の評価を受けています。
日本でも昔から人気があり、アイビー&トラッド愛用者にファンが多いブランドです。というのも、アトキンソンズはレジメンタルタイで有名なブランドだからです。
アトキンソンズは、英国王室御用達ブランドであったことから、近衛騎兵連隊及び王立装甲軍団の各連隊旗をもとにデザインされたレジメンタルを多く手がけてきました。
現在、日本では渡辺産業株式会社が正規販売代理店としてアトキンソンズのネクタイを取り扱っています。
本国やヨーロッパでは色鮮やかなシルクタイも販売しているのですが、日本では真面目な地味系レジメンタルがメインのラインナップですね。
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由緒正しき英国紳士に憧れる方、あるいは、トラッドな真面目おぼっちゃま系スタイルがお好きな方に人気のブランドです。
今の40代以上にはレジメンタルタイは懐かしのスタイルかも知れませんが、最近の若い世代にとっては逆に新鮮みたいですね。
ジャケットやパンツはイタリア的なスタイルで、ネクタイや靴に英国もしくはアメリカ的な要素を入れるとお洒落感がアップしますよ。
レジメンタルタイのコレクションの1つにぜひ入れておきたい由緒正しきブランド。それがアトキンソンズです。
Atkinsons公式サイト
日本の正規代理店、渡辺産業株式会社のページ
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